太平洋戦争を題材にし、その凄惨さと人間の狂気を真正面から描いた漫画「ペリリュー 楽園のゲルニカ」がアニメーション映画として映像化される。舞台となるのは、戦況が悪化していた戦争末期のペリリュー島。主人公は、戦死した兵士たちの最期を記録する役目を任された若き日本兵・田丸。生きることすら困難な状況に置かれた青年たちの心の揺れや葛藤を、緻密な視点で描き出す。
物語の中心となるのは、昭和19年。南国の自然が広がるペリリュー島に、当時21歳の田丸均が部隊と共に配備されていた。漫画家を志していた彼は、その筆の能力を評価され、亡くなった仲間の最期を遺族へ届ける記録として描き残す「功績係」を務めていた。しかし米軍の攻勢が激しさを増すと、部隊はじわじわと追い込まれていく。死への恐怖は常に隣り合わせで、飢えや渇き、病にも苛まれ、兵士たちの精神は限界に近づいていった。
そのなかで田丸は、戦死した仲間を“美しい英雄譚”としてまとめ上げていく自分に戸惑いを覚え始める。何が正しいのか分からなくなりながらも、彼を支えていたのは同期でありながら精神的な支柱となっていた吉敷佳助の存在だった。互いに励まし、恐怖や迷いを共有しながら築かれていく2人の絆。しかし戦況は容赦なく悪化し、彼らの未来は不確かなものへと傾いていく——。
監督
久慈悟郎
原作
武田一義
脚本
西村ジュンジ 武田一義
キャスト
田丸均:板垣李光人
吉敷佳助:中村倫也
<劇場情報>
TOHO CINEMAS
AEON CINEMA
ユナイテッド・シネマ
年齢制限
PG12
ただの戦争映画じゃなくて、マジで胸に来るタイプの作品って感じ。
南国みたいにキレイな島で戦ってた日本兵たちの話なんだけど、そのギャップが逆にしんどいくらいリアル。
主人公の田丸くんは、戦場にいながら漫画家になりたいって夢を持ってる21歳の兵隊さんで、亡くなった仲間の最期を絵にして遺族へ伝える「功績係」っていう、めっちゃ重い役目を任されてるのね。
でも戦況が悪くなるにつれて、自分が描いてる“美談”が本当に正しいのか分からなくなってくるのが、もう心えぐってくる。
日々の恐怖とか、食べ物がないとか、病気とか、極限状態のオンパレードで、いつ命が無くなるか分からない状況なのに、それでも仲間を想って動く姿が普通に泣ける。
そんな田丸を支えてくれるのが同期の吉敷で、この2人の関係がほんと尊いのよ。お互い励まし合って、ギリギリの精神保ってる感じがエモすぎる。
タイトルはちょっと穏やかっぽいのに、中身はめちゃ重くて、でもちゃんと人の強さも描いてて、一度観たら忘れられないやつ。
戦争とか歴史の話が苦手でも、この映画は“人間ドラマ”としてすごく刺さると思う。
2025年12月5日公開だから、観るなら心の準備しといた方がいい。