大人になった男女の心の揺れを丁寧にすくい取り、第32回山本周五郎賞に輝いた朝倉かすみの同名恋愛小説を、堺雅人主演×井川遥共演で映画化した作品。かつて中学生だった頃に初恋の相手同士だった2人が、長い時を経て再び出会い、静かに惹かれ合っていく様子が描かれる。
妻と離婚し、故郷へ戻ってきた青砥健将は、地元の印刷会社で働きながら、波風の立たない日々を過ごしている。一方、青砥が中学時代に密かに思いを寄せていた須藤葉子は、夫に先立たれ、今はパート勤務をしながら生活している。どちらもひとり身となり、さまざまな出来事をくぐり抜けてきた2人は、久々の再会をきっかけに自然と打ち解け、途切れていた時間を少しずつ取り戻すように距離を縮めていく。再び心が寄り添い始めた2人は、やがてこれからの生き方や互いの未来についても語り合うようになるが──。
監督
土井裕泰
原作
朝倉かすみ
脚本
向井康介
キャスト
青砥健将:堺雅人
須藤葉子:井川遥
前田道子:中村ゆり
八十島庄助:でんでん
うみちゃん:安藤玉恵
安西知恵:椿鬼奴
リリー:栁俊太郎
青砥健介:倉悠貴
青砥の元妻:吉瀬美智子
鎌田雄一:成田凌
児玉太一:塩見三省
江口剛:大森南朋
<劇場情報>
TOHO CINEMAS
AEON CINEMA
ユナイテッド・シネマ
これ大人の恋愛ものとしてかなり沁みるタイプの映画なんだけど。
原作が山本周五郎賞とった朝倉かすみの小説で、主演が堺雅人×井川遥っていう、
“しっとり系・大人の男女の空気感”が絶対間違いない組み合わせなのよね。
物語は、中学時代にお互い初恋だった2人が、大人になってから再会するところからスタート。
青砥は離婚して地元に戻ってきて、印刷会社で落ち着いた生活をしてるんだけど、
そこで偶然、昔好きだった葉子とまた出会っちゃうの。
葉子は夫を亡くしてひとりで生活してて、
2人ともいろいろ経験してきた上での「今」って感じがリアルすぎて刺さる。
久しぶりなのに自然と距離が縮まっていく感じとか、
青春じゃなくて“大人の恋が静かに戻ってくる”って空気がめちゃいい。
昔の続きにそのまま戻るんじゃなくて、
大人になった2人が、ちゃんとお互いの痛みとか歴史も抱えたまま向き合っていくのが本作の肝。
未来の話をぽつぽつし始めるところとか、
静かなんだけど心がギュってなるシーン多め。
全体として、派手さはないけど、
大人の恋の余白とか、言葉にしない気持ちとか、
そういうのがめちゃくちゃ丁寧に描かれてる“しみじみ系恋愛映画”って感じ。
泣きたいとか、落ち着いた雰囲気の恋愛もの観たいときにかなり刺さるやつ。