第48回日本アカデミー賞で『正体』により最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督が、主演に舘ひろしを迎えて挑むヒューマンドラマ。舞台は北陸の小さな港町。過去を捨ててひっそりと生きる元ヤクザの漁師と、目の見えない少年との十数年にわたる関係を描き出す。撮影は『八甲田山』などで知られる撮影監督・木村大作が担当し、全編を35ミリフィルムで撮ることにこだわっている。
三浦は、漁に出ながら静かに暮らしている元ヤクザの男。ある日、白杖を頼りに歩く少年・幸太の姿を目にする。幸太は、ヤクザが絡んだ交通事故で両親を失い、引き取られた叔母とその恋人からも暴力や虐待を受けていた。行き場のないその姿に、自分の過去を重ねた三浦は、幸太を自分の船に乗せるようになる。やがて2人の間には、血のつながりを超えた深い絆が生まれていく。やがて三浦は、幸太に視力回復の手術を受けさせるためヤクザの金に手を出し、1通の手紙だけを残して自ら警察に出頭する。12年後、消息を絶った三浦の行方を追う中で、成長した幸太は、三浦にまつわる思いがけない秘密に辿り着く。
監督
藤井道人
脚本
藤井道人
企画
河村光庸
キャスト
三浦諒一:舘ひろし
大森幸太(青年期):眞栄田郷敦
大森幸太(少年期):尾上眞秀
浅川あや:黒島結菜
八代龍太郎:斎藤工
大塚夕斗:ピエール瀧
大黒浩:一ノ瀬ワタル
大森美和子:MEGUMI
田辺智之:市村正親
河村時雄:宇崎竜童
荒川定敏:笹野高史
石崎剛:椎名桔平
<劇場情報>
TOHO CINEMAS
AEON CINEMA
ユナイテッド・シネマ
年齢制限
PG12
これ普通に泣ける系でやばい作品なんだけど。
監督はアカデミー賞最優秀監督賞とった藤井道人だし、主演は舘ひろしってだけで、
もう“大人が本気で作ってきた情緒映画”って感じがビシビシくるやつ。
舞台は北陸の港町で、元ヤクザの漁師・三浦と、
目が見えない少年・幸太が出会うところから話が始まるのね。
幸太は親を事故で亡くしてて、引き取られた家でもつらい扱い受けてて、
まじで心がしんどい状況なんだけど、
そんな子に三浦がそっと手を差し伸べる感じがガチ優しいの。
で、この2人が血縁とか関係なく、
“自分の居場所なかった者同士”みたいな特別な関係になっていくの、
ほんと胸にくる。
三浦は幸太の目を治すために危ない橋渡っちゃって、
手紙だけ残して自首するっていう漢気全開ムーブするし、
その後12年たってからの展開もエグいくらいドラマが濃い。
しかも撮影が木村大作で、
全編35mmフィルムっていう本気度マシマシ仕様。
映像の雰囲気からして“これは劇場で観るやつ”って感じ。
総じて、
港町×大人の男×少年×年月がテーマの、
静かだけど刺さる系ヒューマンドラマって印象。
泣きたい時とか、余白ある映画観たい時にドンピシャなタイプ。