『フランダースの犬』と『母をたずねて三千里』を見て育った世代の皆さんへ。

皆さんが子供の頃、アニメーション作品を通じて感じた感動や涙、その記憶は今も鮮明に残っていることでしょう。1970年代から1980年代にかけて、日本のアニメーションが手掛けたこれらの作品は、ただの子供向けアニメではなく、人生の教訓や人間の美しさ、困難に立ち向かう勇気を教えてくれました。今、2024年という現代において、再びこれらの作品を観ることには特別な意味があります。

『フランダースの犬』は、ネロとパトラッシュの絆、そして貧困と不条理に直面しながらも純粋な心を持ち続けた少年の物語です。この作品は、子供の頃には理解しきれなかった社会の現実や人間の冷酷さを、大人になった今だからこそ深く理解できるでしょう。また、ネロの夢や希望が現実の厳しさに打ち砕かれる様子は、現代の厳しい社会に生きる私たちにとっても共感できる部分が多いはずです。今だからこそ、ネロの純粋さとパトラッシュの忠誠心に心を動かされ、もう一度大切なものを見つめ直す機会となるでしょう。

一方、『母をたずねて三千里』は、マルコの勇気と母への愛情を描いた壮大な冒険物語です。大人になった今だからこそ、マルコの強い意志と困難に立ち向かう姿勢に、より深く感銘を受けるはずです。私たちが日々直面する困難や試練に対して、マルコのような粘り強さと希望を持つことがどれほど大切かを再認識できます。また、当時のアニメーション技術の限界を超えた美しい背景画や、キャラクターの繊細な心情描写も、大人の視点で観ることにより新たな発見があるでしょう。

これらの作品を再び観ることで、子供の頃の純粋な感動を取り戻すだけでなく、今の自分に必要な勇気や希望を再確認できます。『フランダースの犬』と『母をたずねて三千里』は、時代を超えて多くの人々の心に残る名作です。ぜひ、もう一度これらの作品に触れ、当時の感動を再び味わうとともに、今の自分に新たな視点とエネルギーを与えてくれる素晴らしい機会を楽しんでください。

フランダースの犬

パトラッシュ、僕たちずっと一緒だね
19世紀のベルギー、フランダース地方。アントワープにある大聖堂を、一人の修道女が訪れる。彼女は、聖堂に飾られている大画家ルーベンスの「聖母被昇天」を仰ぎ見るうち、その記憶は20年前へとさかのぼる…。おじいさんと牛乳運びで生計を立てる少年ネロと愛犬パトラッシュは、貧しいながらも幸せに暮らしていた。ネロの夢はルーベンスのような画家になること。そんなネロのささやかだが幸せな日々は長くは続かなかった。おじいさんの死、風車小屋の放火の容疑、絵画コンクールの落選…。次々とネロの身に不幸が降りかかる。そして、クリスマスの夜。すべてを失ったネロが大聖堂で見たものは、ずっと憧れていながらも決して見ることの出来なかったルーベンスの2枚の絵だった…。

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母をたずねて三千里

少年はたった一人海を渡り、12000キロの旅に出た―
重税、不景気に苦しむ19世紀のイタリア、ジェノバ。多くの人々が南米大陸へ出稼ぎに行くことで生計を立てていた。貧しい人のための診療所を経営する夫を助けるべく、マルコの母アンナもアルゼンチンへと行くことになった。そのことをひと言も相談されなかったマルコは、母の旅立ちの日になっても笑顔を見せられなかった。しかし、出航する船上の母の姿が小さくなっていくのを見て、マルコは母を呼びながら桟橋を走る。やがて移民船は大海の果てへと消えていった……。

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