少年はたった一人海を渡り、12000キロの旅に出た―
重税、不景気に苦しむ19世紀のイタリア、ジェノバ。多くの人々が南米大陸へ出稼ぎに行くことで生計を立てていた。貧しい人々のための診療所を経営する夫を助けるため、マルコの母アンナもアルゼンチンへと行くことになった。そのことを一言も相談されなかったマルコは、母の旅立ちの日になっても笑顔を見せられなかった。しかし、出航する移民船上の母の姿が小さくなっていくのを見て、マルコは母の名前を呼びながら桟橋を走る。やがて移民船は大海の果てへと消えていった……。

<キャスト>
樋口智恵子
榊原るみ
菅生隆之
山内雅人
なべおさみ
井上倫宏

<スタッフ>
監督:楠葉宏三
脚本:深沢一夫
原作者:エドモンド・デ・アミーチス

(c)MARCO PROJECT

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<TMI>(Too Much Information)
『母をたずねて三千里』は、1976年に放送された日本のアニメーション作品で、アニメーション制作会社「日本アニメーション」が制作を担当しました。原作はエドモンド・デ・アミーチスの児童文学『クオーレ』の一編であり、監督は高畑勲が務めました。この作品は、アニメーション制作の名匠・宮崎駿も参加しており、美術設定やレイアウトを担当しています。

物語は、イタリアの少年マルコが母親を探すために南米アルゼンチンまで旅をするという感動的な冒険譚です。マルコの強い意志と母への愛情、そして困難に立ち向かう姿勢が視聴者の心を打ちました。また、作品の背景には、当時のヨーロッパの移民問題が描かれており、社会的なメッセージ性も強いものでした。

放送当時、『母をたずねて三千里』は大きな反響を呼びました。視聴率も高く、子供から大人まで幅広い層に支持されました。特に、マルコが困難を乗り越える姿や、旅の途中で出会う人々との温かい交流が視聴者の共感を呼びました。また、高畑勲と宮崎駿のコラボレーションによる精緻なアニメーション技術と美しい背景画も評価され、後のアニメーション制作に大きな影響を与えました。

『母をたずねて三千里』は、ただの児童向けアニメではなく、人間ドラマとして多くの人々に愛され続けています。この作品は、家族愛や友情、困難に立ち向かう勇気といった普遍的なテーマを描いており、現代でもそのメッセージは色褪せることなく、多くの視聴者に感動を与え続けています。