OSLO / オスロ

1993年、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)が初めて和平交渉に合意した「オスロ合意」。その舞台裏を描いた実話ベースのドラマが「OSLO」だ。この物語は、ノルウェー政府の支援を得て、イスラエルとパレスチナの和平交渉を実現させた背後にいたノルウェー人夫妻の奮闘を追っている。イスラエルとPLOの両方と信頼関係を築いていた彼らは、表舞台には出ないながらも合意成立のために奔走する。

舞台版はJ・T・ロジャースが手掛け、トニー賞の演劇作品賞をはじめ、数々の賞を獲得。日本でも公演されたこの作品が、スティーブン・スピルバーグらの製作総指揮のもと、HBOによって映画化された。1992年12月、ノルウェーの首都オスロで、外交官モナ・ユールと社会学者テリエ・ロード=ラーセン夫妻が、イスラエルとパレスチナの代表者たちに対話の場を提供しようと奔走する。

当時、イスラエルではパレスチナ人と会談することが禁じられており、パレスチナ人側にとっても、イスラエルと直接交渉することは非常に危険な行為だった。しかし、このノルウェー人夫妻は非公式なルートを確立し、秘密裏に和平交渉の場を実現。しかし、何十年にも及ぶ敵意と憎しみが交渉の進展を妨げ、状況はますます厳しいものになっていく。

この作品は、歴史の一ページを彩った外交的努力と、その裏で静かに動いていた人々の姿を描き出している。

監督
バートレット・シャー

製作総指揮
マーク・プラット クリスティ・マコスコ・クリーガー スティーブン・スピルバーグ

脚本
J・T・ロジャース

キャスト
モナ・ユール:ルース・ウィルソン
テリエ・ロード=ラーセン:アンドリュー・スコット
サリム・ドゥ
ワリード・ズエイター

<映画を見る>
U-NEXT

正直、「OSLO」って聞いて最初は「え、なんか政治系でしょ?」って思ってたけど、意外と引き込まれた。これね、イスラエルとパレスチナの平和交渉を描いてるんだけど、あんまり政治に詳しくなくても全然OK。ディプロマシーってこんなにも熱いんだって感じさせられる作品。

まず、キャストが本当に演技が上手い。交渉シーンなんて、どっちが先に折れるのかハラハラしっぱなし。しかも、キャラクター同士の人間関係が意外と繊細で、単なる交渉ドラマ以上の深みがある。これぞ、心の駆け引きって感じ。

それにしても、80~90年代のファッションや当時の雰囲気をしっかり再現しているところがすごい。その辺のディテールが細かくて、歴史好きも納得できるレベル。

さらに、スリル感がすごい。政治交渉の話なのに、ここまでハラハラさせるとは驚き。「これ、どうなるの?」ってずっと思いながら見ていた自分がいた。

恋愛とかアクションを期待していると少し違うかもしれないけど、知的なバチバチの戦いが見たいなら、この映画はまさにピッタリ。頭を使いたい時とか、真面目に何か観たい気分の時にオススメ。