エイリアン:ロムルス – 2024年9月公開
『エイリアン:ロムルス』は、リドリー・スコットが監督したSFホラー映画「エイリアン」シリーズの新作である。物語は遠隔地にある宇宙ステーションで展開される。ステーションのクルーは謎の生命体と遭遇し、次第に恐ろしい状況に陥っていく。クルーは生き残るためにエイリアンとの戦いを余儀なくされるが、彼らが直面するのは単なる外部からの脅威だけでなく、自らの中に潜む恐怖や裏切りも含まれる。映画は緊張感と恐怖を駆り立てるシーンを通じて、人間の本能と生存欲を描く。
- 監督:フェデ・アルバレス
- 製作:リドリー・スコット
- 出演:ケイリー・スピーニー, デヴィッド・ジョンソン, アーチー・ルノー, イザベラ・メルセード
<劇場情報>
TOHO CINEMAS
AEON CINEMA
松竹マルチプレックスシアターズ
『エイリアン』シリーズの歴史
『エイリアン』シリーズは、1979年に始まり、サイエンスフィクション(SF)とホラーのジャンルを融合させた革新的な映画フランチャイズとして知られています。このシリーズは、宇宙の未知なる恐怖と人間の生存本能を描き、映画史においても重要な位置を占めています。以下は、『エイリアン』シリーズの各作品について、制作年度ごとにその背景や特徴を詳述したものです。
時系列
『プロメテウス』(2093年)
『エイリアン:コヴェナント』(2104年)
『エイリアン』(2124年)
『エイリアン:ロムルス』
『エイリアン2』(2144年)
『エイリアン3』(2270年)
『エイリアン4』(2470年)
1. エイリアン (1979年)
1979年に公開された『エイリアン』は、リドリー・スコットが監督を務めたシリーズの第1作です。この映画は、宇宙貨物船ノストロモ号のクルーが、未知の惑星で謎の生物を発見し、それが船内で恐ろしい殺戮を始めるというストーリーです。この作品は、視覚効果やデザインにおいても革新的であり、H.R.ギーガーが手がけたエイリアンのデザインは非常に印象的で、後のホラー映画やSF映画に大きな影響を与えました。また、女性が主人公として活躍する点でも特筆され、シガニー・ウィーバー演じるエレン・リプリーは、強い女性キャラクターとして映画史に残る存在となりました。
2. エイリアン2 (1986年)
『エイリアン2』は、1986年にジェームズ・キャメロンが監督を務めた続編です。この映画では、リプリーが前作の事件から57年後に目覚め、再びエイリアンとの戦いに巻き込まれるというストーリーが描かれます。前作のホラー要素に加え、今回はアクションの要素が強化されており、マリンコロニー全体を襲うエイリアンの大群との壮絶な戦いが描かれます。映画は興行的にも批評的にも成功を収め、複数のアカデミー賞を受賞しました。リプリーの強さと母性がテーマとして強調され、SFアクション映画の代表作となりました。
3. エイリアン3 (1992年)
『エイリアン3』は、1992年に公開されたシリーズ第3作で、デヴィッド・フィンチャーが監督を務めました。この映画は、前作の直後から始まり、リプリーが囚人たちが住む惑星に不時着し、そこで再びエイリアンと対峙するというストーリーです。本作では、リプリーの孤独と絶望感が強調され、シリーズのトーンはよりダークで重厚なものとなっています。エイリアンの生態やリプリーの宿命的な結末も描かれており、シリーズの中でも異色の作品として評価されています。ただし、制作時に多くの困難があり、フィンチャー自身は最終的な作品に満足していないとされています。
4. エイリアン4 (1997年)
『エイリアン4』、または『エイリアン: リザレクション』は、1997年にジャン=ピエール・ジュネが監督を務めたシリーズ第4作です。この作品は、前作で死亡したリプリーがクローンとして復活し、エイリアンとの新たな戦いに挑むというストーリーです。リプリーはクローンであるため、エイリアンとの間に特異な関係が生じ、物語は一層複雑な展開を見せます。ジュネ監督の独特のビジュアルスタイルや、ダークユーモアが加わり、前作までの作品とは異なる雰囲気が強調されています。本作は批評家からの評価は分かれたものの、興行的には一定の成功を収めました。
5. エイリアン vs. プレデター (2004年)
2004年には、『エイリアン』シリーズと『プレデター』シリーズをクロスオーバーさせた『エイリアン vs. プレデター』がポール・W・S・アンダーソン監督によって公開されました。この映画は、南極の地下に存在する古代のピラミッドを舞台に、人間、エイリアン、そしてプレデターの三つ巴の戦いが描かれます。本作は、シリーズの中でも異色の作品であり、スピンオフとしての位置づけが強いです。ホラーやアクションに重点を置いたエンターテイメント作品であり、ファンの間でも賛否両論がありましたが、興行的には成功を収め、続編が制作されることとなりました。
6. エイリアン vs. プレデター2 (2007年)
2007年には『エイリアン vs. プレデター2』が公開されました。本作は、前作の直接の続編であり、前作のクライマックスで地球に降り立ったプレデリアン(エイリアンとプレデターのハイブリッド)が小さな町を襲撃し、町の住民たちがその脅威に立ち向かうというストーリーです。前作以上にホラーの要素が強調され、グラフィックな描写が多く含まれていますが、ストーリーやキャラクターの深みが不足しているとの批評もありました。しかし、シリーズのファンにとっては、エイリアンとプレデターの対決が見られる貴重な作品として楽しまれました。
7. プロメテウス (2012年)
『プロメテウス』は、2012年にリドリー・スコットが再び監督を務めた、シリーズの前日譚とされる作品です。この映画は、『エイリアン』シリーズの起源に迫る物語であり、人類の創造とエイリアンの誕生に関わる謎が描かれます。物語は、科学者たちが遠い惑星に辿り着き、そこに隠された古代のテクノロジーとエイリアンの祖先であるエンジニアと呼ばれる種族に遭遇するところから展開されます。哲学的なテーマや壮大なビジュアルが特徴で、エイリアンシリーズの新たな視点を提供する作品となりました。批評家からは賛否両論がありましたが、興行的には成功を収めています。
8. エイリアン: コヴェナント (2017年)
2017年には、『プロメテウス』の直接の続編である『エイリアン: コヴェナント』が公開されました。リドリー・スコットが再び監督を務め、物語は植民船コヴェナント号のクルーが、未知の惑星に降り立ち、そこでエイリアンの恐怖に直面するという内容です。本作では、『プロメテウス』で提示された謎がさらに掘り下げられつつ、クラシックなエイリアンホラーの要素も強化されています。新しいエイリアンの種類や、シリーズにおける哲学的なテーマも引き継がれ、観客に恐怖と驚きを与える作品となっています。